Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
そこで、わたしはどうしても加藤の家の血統はたやしてはならない――という気になっているのです。わたしが今、こうして無事に離縁を取って、行いすましたような暮らしをしているのも、一つはお前を見たいからです、お前の看病をして上げたいからです。どんなにしても、お前の身体を丈夫にして、お前のあとを絶やさないようにして、そうして加藤清正の正しい血統の者の眼で、尾張名古屋の城を見返してやりたい。いつか知らず、そんな時が来るような気がしてなりません。清正公が丹精して、一期の思い出に築いて置いたあの名古屋の城は、決して徳川に捧げるためではありませんでした、いつか、わが一族、広くいえば豊臣か加藤か、両家の者……その最も正しい血統の者の手にかえされる時がある、わたしはそのような夢に襲われ通して来ました。それですから、あの名古屋城を見るたびに、主家の本丸とは見ないで、奪われたわが屋敷あとを見るような気がして、いつか知らず取返さねばならぬ、時が来たらば、再びわが手に落ちて来る、というような予感にかられ通して来ました。でも、いくら夢に襲われても、女の身では仕方がありません、縁づいた先に子供は幾人あっても、それが同じように加藤を名乗ってはいても、いずれも血は薄い、この世には、清正公の血を引いた家筋で、お前とわたしより濃いのは無い、その