Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
君かい、いやおれではない、では誰だ、と論議の末が、ついにわからなくなったと共に、あの笛の音も暫くばったりとやんだものです。それがまた、深夜でも、白昼でも、意外な時に、意外に起るものですから、それから問題になりました。いろいろ物色してみたが、結局、お雪ちゃんの連れの方、そのほかにはあの笛の主が無いということになってみると、ますます問題が問題を生みましたのですよ」
「どうも済みません……」
「いや、済まないということではないですよ、つまりね、我々こうして、計らずも山中に棟を同じうして住んでいますとね、呉越同舟といったようなものでしょう、ましておたがいに、今日まで見ず知らずでこそあれ、敵同士じゃないんですからね。無論、呉越どころじゃありません、同海同胞です、みんなこうして一つ棟の下に、一つ湯槽の中で、裸にもなり合う仲になっているのですから、兄弟同様の親しみが湧いて来るのも無理がありません。ところで、たった一人が、この不思議な因縁の同舟の中に、我々と全く没交渉なお方が一人、存在なさるということは物足りないではありませんか。時々は噂をしますが、まだ一人として、我々のうちでお目にかかったものはないのです、それがすなわち、あなたのお連れの御病人の方なんです――しかし、御大病でいらっしゃるから遠慮しておいた方がいいと、誰も