Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「だって時と場合ですからね、今に上方の戦が江戸までやって来ますよ、お雪ちゃん」

「そうなると、日本中が、いくさになっちまうんですね」

「まず、そんなものです、お雪ちゃんの故郷だという甲州なんぞも、当然捲き込まれてしまいますね」

「でも、この白骨までは来ないでしょう」

「さあ、日本中が戦になっても、ここまでは舞い込んで来ますまいね、第一、大砲が通りませんからな」

「ほんとうに、わたしたちは仕合せです、いつまでもこの白骨におりましょう、ねえ、先生、あなたも、たとえ、お眼がなおっても、二度とふたたび戦に出ることなんぞはおよしあそばせ」

この時、北原賢次が、むらむらとしてお雪ちゃんの面を見てしまいました。これではせっかくバツを合わせようとした彼女のきりまわしが何にもなりません。そういう事に一向に頓着しないお雪ちゃんは、今度は北原の方に向いて無邪気な笑顔、

「北原さん、あなたも、ずいぶん、喧嘩っ早いようなお方ですけれど、戦なんぞにお出になるのはおよしなさい」

と言いました。

「だが、お雪ちゃん、おたがいに白骨温泉の中へ白骨を埋めに来たわけでもありますまい、いつか、それぞれの国と仕事とに返らなければならないでしょう」