Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
手を放して、めぐっていた踊りの連中が、この時は、また手をつなぎ合って、ぐるぐるめぐりを始めたから、相手がこの連中であるだけに、米友としても、鉄砲玉のようにその一角を突き破って通ることに、いささか躊躇を感じました。しかしながら、その一角を突き破らぬ限りには決して、この囲みを解いて、自分の身を解放することができないと考え、そこで思いきって、突破にかかろうとしたが、さてまたそこで、いずれあやめと引きぞわずろう、というわけでもあるまいが、どこぞに突破口を求むれば、必ずその一角が犠牲に供される。米友としては、この踊りの連中のいずれに対しても、特別に信用と贔屓とを感じているわけではない。実際、こういうふうに、まんべんなく緊張して、いずれもいい気持になって踊っている時には、特にここを破ろうとの破綻というものが、ちょっと見出し難いものと見えます。
そこで米友が、引きぞわずろうという気持で、躊躇をしている間に、
「あっ!」
といって、舌を捲いて躍り上りました。そのクリクリした眼を、踊り子の連鎖の一方、つまり或る一人だけに注いだ米友が、
「あっ!」
と、二たび、三たび、地団太を踏んだのは、そこに破綻を見出したのではなく、そこに特別に何か興味の中心を見出したものでなければなりません。