Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

ああ、水汲みにいったものだ、軒下に貯えの水がなくなったから、わざわざ谷川まで水を汲みに行ったものだ。そうだとすればなにも、恐怖も物怪もあるべき筋ではない。月は明るいけれども、足許の用心のために特に提灯を用意したまでのことだ――とお雪も、やっと合点がゆきました。

けれども、なお残る不審は、どうしてこの夜中に、わざわざ谷川まで水を汲みに行かなければならなくなったのだろうという事、どなたかが勉強のために夜ふかしをして、お茶が少し上りたくなって、茶釜を見たが水が無い、瓶を見てもあいにく――外の筧は氷っている、やむを得ず、谷川まで御苦労をしたと思えば思えないこともない。多分、そんなことだろうと想像しておりました。

だが、わざわざこの深夜、水汲みにおいでになったのはどなた、それもお雪の気にかかりました。

今しも上って来る人は、頭に笠をいただいておりましたから、人柄はさっぱりわかりませんが、かなりたどたどしい足どりであります。桶に満たした水が、月にかがやいてさざ波を立てながら銀のように動いているのを見ると、お雪は風流な姿よと思いました。水たまらねば月も宿らずと、口ずさんでやりたいような気分になりました。