Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
少しむずかしいのには、
幾人東至又西還(幾人か東に至りまた西に還るや)
潮満沙頭行路難(潮沙頭に満ちて行路難し)
会得截流那一句(流れを截つの那の一句を会得せば)
何妨抹過海門関(何ぞ妨げん海門の関を抹過するを)
と読まれるのもある。
どれもこれも、時間の永遠にして、人生のはかないなげき、いかになる身の果ての詠歌でないものは無いらしい――と思われる。
古えの人はここに来て、須磨や、明石や、和歌の浦の明媚をうたわないで、いかになる身にかけて来る。鳴海の字訓そのものが、歌人の詠嘆を迎えるようになっているかも知れないが――鳴海そのものにも、眇たる人生のはかなさを教えるものがあるに相違ない。
お銀様はどうかして古えの鳴海の海を見たいと思いました。鳴海潟に啼くという千鳥の声を、飽かず聞いて帰らないではおられない心持になって、それで、いずくともなく鳴海を求めて歩き出しているのです。
五十二
この際、名古屋にいた宇治山田の米友は、まっしぐらに宮の七里の渡し場めがけて走っている。
名古屋を後ろにして、やや東へ向いて走るのです。
その眼の中には焦燥はあるが、それは軽井沢の時に、主人を見失った責任感から峠を走せ下った時の呼吸とは違います。