Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
波止場に立った米友は、ちょうど、いま立ったばかりの七里の渡し舟をめがけて、
「おーい、よっちゃんよう」
俊寛もどきに舟を呼ぶ。呼べば答えるの距離は充分にある。
「友さんかい」
船ばたに現われた女人の一隊。その中でも一人が領巾をふる。
「よっちゃん――一足で後れっちゃったよ」
米友が叫ぶ。舟の中の女、
「ほんとに惜しいことをしたねえ、米友さん、もしかしてお前の姿が見えるかと、どんなに待っていたか知れなかったのよ」
「そうだろうと思って、一生懸命にかけて来たんだが、どうも、地の理がよくわからねえもんだからな」
「ほんとに残念だけれど、さよなら」
「さよなら」
「友さん――」
「おーい」
「お前、帰りには、きっとお寄りね、四日市で待っているからね。昨日話したろう、あの通り言って四日市をたずねて下さいね、待っているから、きっとよ」
「うーむ」
「嘘ついちゃいやよ」
「うーむ」
「そうして、それから二人で、間の山へ行ってみましょうよ、昔の人に逢ってやったら、さぞ驚くでしょう」
「うーむ」
「先生様にお願い申して、きっとお寄りよ」
「うーむ」
「帰りでいけなければ、お前、行きにお寄りな――ほんとうは、こっちから京大阪へ出る方が順なのよ」