Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「でも、うちの姉やは産まねえよ」

「ちぇッ、お母あだって、産まねえお母あもあるよ、あの新屋をごらん……」

「みんな知らねえのかい、御亭主を持たなければ子は産まねえんだぜ、いくらお母あだって、御亭主が無けりゃあ子が産れないよ」

「御亭主てのは何だい、父のことかエ」

「そうさ――父親と母親というものがあって、はじめて子が生れるんだよ」

「だッて……」

「だッて、姉やは御亭主が無くって子が出来たというじゃねえか」

「そりゃあ――そりゃあ」

「先生のお松さんだって、ごらん、御亭主が無くって子供があるよ、そら、郁太郎様と、登様と、二人も子供があるじゃないか」

「そうさなあ」

「だから、父が無くたって、子供は出来るんだぜ」

この話をお松は立聞きをして、ある時は吹き出したくなり、ある時は恥かしくなり、ある時はまた身ぶるいをするほど怖ろしくなりました。

これら、無心の子供に言わせる社会相。

子供が出来ても食わせられないが、子供は産れるものだ。

この子供らは、子供の生れる性の知識には暗かったからいいようなもの、これでも出産の結果の負担の重いことを、家庭から深刻に吹き込まれている。

産れたものは、食わせなければならぬ。