Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
これは木樵ではありません。あたりまえのお百姓が農閑を見はからって、自分の持山か、或いは人の持山から上木を買取って、それをこなしているだけのものです。
いつまで経っても話相手になる人もなし、加勢に来ようという人もなし、それでも根よくほとんど休むということを知らないで、薪をこなし、そうしてようやく、お正午時分になったと気がついて、携帯の笠の中に入れて、とある一木の下に置いた弁当を開きにかかりました。
その弁当というのが、一かたけに約五合炊ぐらいははいる古風な面桶で、その中には梅干が二つと、沢庵が五切ればかり入れてあるだけのものでした。
そうして、一方、小さな樽の中へ詰めて来た水を飲んで、さも旨そうにその弁当を食べはじめたものです――
こうして見ると、本当の質朴そのものの、太古の民で、木と薪のほかには、一切の邪念というものが頭の中に無いのでしょう。たとえ王侯の位を羨まぬ者としても、斯様な平和な山間の農夫を羨まないものはないと思われます。
面桶の中の麦飯を食べながら、ふと、面を上げたところを見ると、見違えてはいけません、どうもあの青梅の裏宿の七兵衛という盗賊に、どこやら似ているではありませんか。