Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
なんという賑々しい人だろう。人間としては、たった一人が入り込んで来たのに過ぎないが、四方がパッと明るくなるほどに陽気になりました。
兵馬も知らない、入って来た方も知らないが、これは鐙小屋の神主さんです。
鐙小屋の神主さんは、たった今、炉辺の閑談を済まして、いち早く、ひとりこの風呂に飛び込んで来たものと見えます。
お雪が二階で聞いた、どっと笑い崩るる音というのは、この陽気な神主さんが、何か一席の座談の終りに愛嬌ある落ちをつけて、それが、すべての人のおとがいを解いたその結果でありましょう。
先入りの客がいたと見て、神主さんから言葉をかけました、
「おやおや、あんたお一人で、そこにおいでかい。いつ来てもこのお湯はいいお湯じゃの、よくまあ透明に澄んでおりますわいの。これまあ、玉のこぼるるようじゃ、勿体ないほどじゃ」
と言いながら兵馬と向い合って、ズブリと全身を湯の中に打込みました。
「白骨と申しますが全く骨まで白く洗えそうな湯ですな」
と兵馬が、おとなしく言うのを、
「その通り、その通り、ほんに綺麗でいい加減で、それに今は混む時のようにさわがしくはないし、お湯に入る気持は格別だが、若衆さま、修行は湯ではいけませんぞ、水に限りますぞ」