Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「なあに、あれはただ用心のために言っただけなんだから」

「でも、用心の上に用心に如くは無しですから、もうすっかり締めてしまいましょうよ」

「じゃ、お前の安心のために……」

と言って米友は立ち上って、土間へ下り、関守氏が入って来たところの出入口をぴったりと締めきって、枢をカタリとおろしてしまい、

「これで、すっかり締めきりだ」

「廊下のしまりの方もお頼み致しますよ」

「よしきた」

すべて抜かりなく締めきってしまって、さて二人とも、以前の座に戻ったけれども、お雪ちゃんは、もう絶対に銭勘定を繰返そうという気になれませんでした。

そこで米友は緡を取って、穴あき銭をそれに差込んでいると、暫くあってお雪ちゃんがその手を抑えるようにして、

「今晩はもうこれだけにしましょうよ、なんだか怖いから、お銭の音をさせないで頂戴な」

お雪ちゃんから哀求的に言われたので、米友も、強いてとは進みきれない心持になりました。

こうなると、二人はもう寝ることだけの仕事が残っているようなものです。当然お雪ちゃんが言いました、

「お寝みなさいな、米友さん」

「お雪ちゃん、お前、先に寝みな、おいらまだ眠くねえ」