Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

本能の発動に過ぎないのであります。

しかし――天上天下一切万象が、皆この単純なる本能によって支持されている。

お雪ちゃんも語らず、米友も問わないけれど、この物の道理は、ひしと二人の胸にこたえています。ですから、米友は得意の杖槍は取りは取ったけれども、これを持って外なる親に向うべきか、内なる子を戒むべきか――途方に暮れているのもまた、やむを得ないものがある。

「やかましいやい!」

と、米友が思わずじだんだを踏んで、こういって怒鳴りつけてみましたけれど、その悪罵には毒を含んでいませんでした。それのみか、その眼に何となしに露を帯びている。

「やかましいやい! いいかげんにしろ、鳥!」

最初は天井を見上げて言ったのだが、次には軒の方に向って叫びました。お雪ちゃんもまた最初から途方にくれて、

「友さん」

「うむ」

「どうしようねえ」

「どうしようったって……やかましいやい、鳥!」

米友が二度、じだんだを踏みました。

この場合、さすがの二人も、上と下とで、かけ合わせる鳥類の猛絶叫のために、完全に圧倒せしめられたようなものです。

その結果、二人とも全くの沈黙に陥れられてしまいました。