Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

だが上と下との鳥類は、単に一方が一方に弥次り勝って、一方を沈黙させれば、それで勝利の満足の快感に酔うというスポーツ的興味のために喚いているのではないのですから、内なる二人が沈黙しようとも、すまいとも、その怒号と喧噪とをやめることではありません。

ただ不思議と思われるのは、高い樹上で怒号している親鷲なるものが、なぜもっと近く、庭上、少なくとも地上まで降りて来ないかということでありました。いかに猛禽が降り立って肉薄して来っても、戸締りはさいぜんがっしりとしてあるから、室内まで異変を及ぼすということは、万ないにきまっているが、ここまで来て、ああして騒ぐ上は、たといくろがねの垣根一枚が破れようとも、破れまいとも、もっと近く肉薄して来なければならないと思われるのに、声の烈しくして切なるわりには、距離が遠くして高過ぎるきらいがある。

しかし、いよいよ加わってくる絶叫を、全く沈黙して聞くだけでは、聞く方がやりきれたものでない。

「叱ッ、叱ッ、こん畜生」

と罵りながら、じだんだを五たびも六たびも踏みましたけれども、結局、出て行って追い払おうとするでもなし、咽喉笛を抑えつけて鳴かせまいとするでもない。