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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

しからばこの際、このところを、走るべきものと、走るべからざるものとの差別は如何――これはむつかしい。

天地間のことだから、いつ何物が、いずれより来っていずれへ走り去るか知れたものではない。現にこの胆吹山にも、相当の飛禽走獣がいるに相違ない。猛禽はさいぜん、子を索め得て、かの古巣をさして舞い戻ったが、そのほかに地を走る狐兎偃鼠の輩もいないはずはない。それらのものが深夜、軒を走ったからといって、さのみ驚くには当らないでしょう。だがまた、不意に走って人を驚かすものは、空中の鳥類や、地上の走獣とのみ限ったわけのものではない。天空を見れば、不意に星の走ることがある。

流星或いは「抜け星」といって、その地球全面に現われる類でさえも、一昼夜に一千万乃至二千万に及ぶとのことだから、それをいちいち驚嘆していた日には際限のないことです。

しかし、いずれにしても、それは飛ぶべきものが飛び、走るべきものが走ったのであって、そちらは天上、空中、野外、時としては軒をかすめて飛ぶことはあっても、こちらは、木処水上以来、何千年の経験を積んで、そうして構え上げた人間の住居の中にとどまっているのだから、そう慌しく驚起しなければならないはずのものではないのです。