Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
ところが、ものを知らねえ奴は仕方のねえもんで、近ごろ徳冨蘆花という男が、芋虫のたわごとという本を書いたんだ、その本の中に、御丁寧に八王子を八王寺、八王寺と書いている。大和の国には王寺というところはあるが、八王子が八王寺じゃものにならねえ、蘆花という男が、法華経一冊満足に読んでいねえということが、これでわかる……」
こういう説明と気焔とを聞いているうちに、一座がまた感に入りました。なるほど、この老爺物識りだ、色が黒いから「炭焼江戸ッ子」だなんて言ったのは誰だ! 上は法華経よりはじめて、江戸時代の裏表を手に取るように知っている。のみならず、この当時、母の胎内にみごもっていたか、いなかったかさえわからない徳冨蘆花という文学者の文字づかいの揚げ足までもちゃんと心得ている。それからまた、その皮肉な口のききっぷりが、どうやら目指す敵の道庵に似通ったところが無いでもない。
こいつぁ儲けものだ!
一座が意気込んで聞いているので、通人はようやく得意になり、
「君たちには、まだ江戸ッ子の定義と分類がわかるめえ、早い話が君たちぁ、昔の通人風来山人平賀源内といえば忽ちちゃきちゃきの江戸ッ子と心得るだろうが、大きに違う、君たちぁ、十里離れた江戸ッ子だの、炭焼江戸ッ子だの、色が黒いのなんのと言うけれど、風来山人なんぞは、江戸を距る海陸