Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
我慢をして我にかえり、
「世間で子供が生れますと、ただ目出度い目出度いとお祝いをいたしますけれども、本当にそれが母となる人のために、また子供として生れた者のために、目出度いことなんでしょうか。親は子を産むために疲れ、子は産み落されて、世の中に翻弄されながら生きて行かなければならない、そういう場合に、産むということも、生れるということも、そんなに目出度いことなんでしょうか。それから、人がたくさんに子を産んで、この世に人間が殖えて行くことが、果して世間のためにも、人間のためにも、幸福なことなんでしょうか。世間には、産まない方が慈悲であったり、生れない方が幸いであったりする人はないでしょうか。人間というものは、どうしても、結婚して、子を産まなければならないはずのものなんでしょうか」
「そこだ!」
と道庵が、また何かに感奮して、盃を下に置くと共に、掌で丁と額を叩きました。
五十五
「そこだ!」
と道庵先生が、何かに昂奮して盃を下に置くと共に、掌で丁と額を叩いたが、やがて、仔細らしく物おだやかに、お雪ちゃんに向って語り出しましたのは、
「わしも御承知の通り、医者ですから、人助けが商売みたようなわけなんでしょう、人の見放した難病を癒したり、死んだ者までも生き返らせたりするのが商売のようなもんだが、どうかすると、