Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
道庵はお手のものと言わぬばかりに、けろりと取澄まして、べらべらと次の如く語り出しました。
五十八
「そういう問題は、今更、お雪ちゃんから提出されるまでもなく、世間では、もう充分に、研究も翫味もしつくされていて、今は不言実行の時代に入っているんだよ――まあ早く言えば、いろいろの意味で子を産みたくないという奴が、世間にはうんといるのさ。そりゃ、子を産みたくって産みたくって、神仏まで祈り立てる奴もあれば、子を産みたくなくって、生れようとする奴を産ませまいとして、また産み並べた奴をもてあましてるのが、天下にうんとあるんだ――今更、お雪ちゃんのように、そんなに事新しく、婉曲に、上品に持ち出すのが古いくらいなもんだが、この道ばかりは、古いが古いにならず、新しいが新しいにならず、やっぱり、人間生きとし生ける間は繰返されるんだ。だが、お雪ちゃんのように、そう学問的に婉曲に持ち出す間は、まだ花で、不言実行となると、みもふたもねえのさ」
「不言実行とは、どういうことなんでございますか」
「言わずして実地に行う、こいつがいちばん始末が悪いね――老子曰く、言う者は知らず、知る者は言わずってね――こういう貧乏人にひっかかると、全く始末が悪い。