Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

思出し笑いそのものには、男ならば女、女ならば男との味な思い出の名残りとかいったような意味で罪の深いことになっている、友達の間でそれを発見された時には、相当に奢らなければ済まない。夫婦の間でそれを見つけられた時は、相当に嫉かれてもやむを得ないという意味で、お内儀さんが、ちょっと嫉いてみた程度のものでありました。

寝物語に甘ったるく問いつめられると、もう、すっかり高上りしてしまった若い夫は、いい気持になって、直ぐには返事をしないで、頭の中でこんなに考えてみました――

「あれから、もう三年だ、身上と商売はもとより、この女房が、もうすっかりおれのものになりきって、二人の間に子供まで出来ている、たとえ、この場へ、もとの主人が生き返って現われたところで、このお内儀さんの心はこっちへ傾いてしまっているから、手を貸して殺せと言っても否やは言わないにきまっている。そのくらいだから、もう話しても大丈夫だ、あの時のことをすっかり打明けてみたところで、どうなるものか、かえって、よく思いきってやって下すった、そのおかげで、今日こうしてお前さんと楽しい夢が結べる、ほんとにお前さんは度胸もあり、腕もあるお方――と言って、また惚れ込んでしまうだろう。