Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
東海道を行こうか、木曾街道をとろうかと、最初は考えましたが、思いきって木曾路をとることにしました。
屋敷を出たのは夜でした。与八と太平は、村境を出ると釜無土手の尽きるところまで、提灯をつけてお送りして帰って来ました。その帰り途で、太平老人から聞くところによると、旦那様はあれで、今でこそ出不精でいらっしゃるが、若いうちはずいぶん旅をなされたもので、度胸もおありになるし、剣術や、槍や、柔術までも相当に御稽古を積んでいらっしゃる――それにおともの若いものも、みんな気も利いているし、相当に引けを取らないだけの腕も出来ているから、旅先でも少しも心配になることはない――ということを聞かされて、与八が安心を加えました。
こういうわけですから、有野村の大尽が京大阪へ向けて旅立ちをなされたという評判は、どこからも立ちませんでした。屋敷のうちの家の子には、日頃から、旦那様がどこにいらっしゃるのか知らない者も多いくらいですから、たまにその気色を見かけたものにしてからが、甲府へでもおいでなさるか、遠くてお江戸――いつもの通りせいぜい六日一日もすればお帰りになるものだと信じていたのです。