Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「どこなの――」

「高山の町よ――」

「高山じゃ、つまらない、欲しくったって、二度とあすこへ行けますか」

「ところが、ここで気を抜いたら、わっしが、ちょっと行って受取って参りますから、御安心ください」

「ちょっと行くったって、お前、ここはもう近江の国じゃないか、これから美濃の国を通り過して、それからまた飛騨の高山まで、ちょっくらちょっとの道のりじゃありませんよ。それにお前さん、それを取りにでも行こうものなら、待ってましたと、隠密の手で引上げられてしまうにきまっていますよ。飛んで火に入る夏の虫とは本当にこのこと、三百両は惜しいけれども、銭金のことは、またどこでどうして稼ぎ出せないとも限らない、命は二つとありませんからね、せっかくだが、あきらめちまいましょうよ」

「ところがねえ、お蘭さん、その辺に抜かりのあるがんりきじゃあございません、その預け先というのが、決して、どう間違っても、ばれたり、足のついたりする相手じゃあねえのですから、豪気なものです。それに、憚りながら、この兄さんは足が少々達者でしてね、飛騨の高山であろうと、越中の富山であろうと、ほんの少々の馬力で、御用をつとめますから、その方もまあ御安心くださいまし」