Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「いったい、高山のどこへ預けて来たんですよ」
「こうなっちゃ、すっかり白状してしまいますが、あの宮川通りの芸妓屋、和泉屋の福松という女のところへ、確かに三百両預けて参りました」
「あの福松に――憎らしい」
お蘭どのは、どうした勘違いか、がんりきの膝をいやッというほどつねり上げたから、
「あ痛! 何をしやがる」
と、百の野郎が飛び上ったのは当然です。そこでお蘭どのがまた、御機嫌斜めで、
「嘘つき、あんな芸妓にわたしの金を預けるなんて――預けたんじゃない、やってしまったんだろう」
「御冗談、あんな田舎芸妓に、三百両を捲上げられるような、がんりきとはがんりきが違いますよ、見そこなっちゃあいけねえ」
「本当ならお前、それを取って来て、わたしの眼の前に並べてごらん」
「言われるまでもねえことさ、これからひとっ走り行って持帰って来てごらんに入れると、さっきから、あれほど言ってるじゃねえか」
「じゃあ、そこでお前さんの本当の腕と、実意を見て上げようじゃないか、早く取戻して来て頂戴」
「合点だ――こうと、三日を限ってひとつ約束して上げようじゃねえか、明日の朝から三日だよ、いいかい、その間、お前は、ここに永く泊っているのもなんだろうから、これから、ずっと近江路へのして待っていな――近江路はそうさねえ、草津か、大津か――いま道中記を見て、しかるべき