Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうして、米友さん、そんなことを聞くの」

「どうしてだって、女というやつはね、面が悪ければ、五体を棒に振って一生を台無しにしてしまわなけりゃならねえのか。面のよし悪しのほかに、女というものの身上はねえのかなあ。そうかといってまた面がよければいいで……楽あできねえよ」

「ホ、ホ、ホ」

とお雪ちゃんが、少しおかしくなって、

「それは、面の大事なことは、女だって、男だって――人間でなくったって、みんな大事じゃありませんか、あのお嬢様がお小さい時分に、そんなむごたらしいお怪我をなすったから、それならお前さんの言う通り、心も傷つくのはあたりまえじゃありませんか」

「ところがね、あのお嬢さんのは、ただ傷ついたんじゃねえ、傷ついてから、それから僻んだんだ、僻んでから、それから、そうさなあ、呪いだなあ、呪いになって、憎しみになって、復讐になって……今じゃ、手におえなくなっているというそもそもの起りが、火傷の怪我というのが偶然のあやまちの怪我じゃねえんだ、あの娘の継母という人が、自分の子に家をとらせてえがために、あのお嬢様を焼き殺そうとしたというのが、あの娘の呪いと、憎しみと、復讐のもとなんだ――もう今となっては、誰が何と言ったって、どうにも手がつけられねえ」