Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

ただあの紅々と燃えた炉の中に、尺八の燃え残りだけが無残に残っておりました。それから、わからないお嬢様が、思い通りの世界を作ってみたいとおっしゃって、ここへ土地をお求めになり、住居を建てるから、わたしも仲間に入れとおっしゃる。それはよいことだと弁信さん、あなたも賛成なさいますから、あなたを信じて、ここへこうして三日目になりますけれど……」

ここでも、お雪ちゃんが、弁信の株を奪って、一息にこれだけの恨みつらみを述べたててしまいました。

「よくわかります、お雪ちゃんの怨み言がよくわかります」

と弁信の方が、かえってさっぱりした短句調であしらうものですから、お雪ちゃんに、いよいよ満足の与えられようはずもありますまい。

「わかります、わかりますだけでは困るじゃありませんか、わかったら、わかったようにして下さらなければ……」

「お雪ちゃん、そんなに言うものではありません、会える時が来ればいつでも会えますよ、いったいお雪ちゃんは、何のためにそんなに会いたがるのですか」

「そんなこと、わかってるじゃありませんか」

「わたしには、ちっともわかりません」

「いやな弁信さん――それがわかっていらっしゃればこそ、お前さんだって、わざわざ飛騨の高山から、美濃の不破の関までわたしを連れて来て下すったじゃありませんか」