Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「勇敢なのじゃありません、意気地なしなんです」

「どっちだかわからないよ」

「自分の身を粗末にして、それを見栄と心得る馬鹿者が絶えないのです」

「時に……」

と竜之助は少し改まって、断崖の欄干から後ろの岩壁へ背をもたせ、

「開墾事業の方はどうです」

「どしどし進行しておりますよ」

と、お銀様との問答が、全く別な内容へ向いて来ました。

「ものになりますかね」

「ものにしますとも」

「そうして、この開墾王国の女王の下に、何人ぐらいの人口が収容できる見込みですか」

「何人と制限はありません、土地の生産の供給が許す限りは人を入れます」

「土地の生産の見込みはつきますかな」

「それは、つかないはずはありません、苟も土そのものに生産能力のある限り、種を蒔いてやれば、実を結ばせるだけの素質を持った土地ならば、それに住む人口は食わせて余りあるだけの生産は、きっと得られます。既に土地が食物を供給しさえすれば、人間をそこに収容し、そこに生活を為さしめ得ないということはありません」

「なるほど――」

「人間が自由を奪われるのは、つまり食えないからですね。それと同じように、人間が人間にたよらずして食えさえすれば、人間は本当に人間らしく生きて行くことができます。