Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
「天へも上れず」
「地へも潜れず、かな」
「東の方、江戸表も鬼門」
「西の方、長州路は暗剣」
「のめのめと故郷へは帰れず」
「そうかと言って、また来た道を引返すのはうんざりする」
「所詮……」
「考えてみると……」
「我々は、どこへ行こうと言って思案するよりは……」
「何の目的で、こうして旅をして歩かねばならないのか」
「それよりはいっそ――何故に我々は生きていなけりゃならねえのか、そいつが先だ」
「むずかしいことになってしまったぞ!」
「考えてみろ、おれも、貴様も、何のために生きているのだ」
「そいつは困る」
「困るたって、それを解決しなければ、永久にこうして亡者として、八方塞がりの籠の中を、うろうろ彷徨いて、無意味に行きつ戻りつしていなけりゃならん」
「なにぶんやむを得んじゃないか」
「ところが、今やそのやむを得ざることが、得られなくなってしまった――おれはもう、こうして旅から旅の亡者歩きに大抵倦きてしまったよ」
「だって、やむを得んじゃないか、君ほどの腕を持っていながら、この手腕家を要する非常時代に、いっこう用うるところがない、拙者ときた日には、君ほどの腕のないことは勿論だが、儒者となるには学問が足りない、医者となるべく術が不足している、英学をかじったが物にならず、仕官をするにはものぐさい、日雇に雇われるには見識があり過ぎる――亡者