Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「だから、おとなしく、それに坐って、拙者の腹の切り方と、往生際を、またたきもせずに見届けていることじゃ」

「じゃといって――友達が死ぬのを、いい気でおとなしく、眺めちゃあいられまいじゃないか」

「なあに――生やさしいのが、じたばたするんじゃない、仏頂寺ほどの亡者が、得心ずくで腹を切るのだ、見ているうちには胸が透いてくるよ」

「ばかな――なんらの意義も理由もなく、友達が腹を切る、よろしいお切りなさい、拙者が傍から切りっぷりを拝見なんてすましていられるか」

「すましていられなけりゃ、濁ってなりと、かぶってなりと見ておれ、そんなことにかかわっちゃおられん。どーれ」

仏頂寺弥助は、ついに長い刀の物打の上あたりを半紙で掴んで、左の手で襟を押しひろげて、その腹を撫ではじめました。

「仏頂寺――」

「何だ、泣き声を出すな、不祥な声を出すと、仏頂寺が冥途のさわりになる」

「まあ、仏頂寺――」

「何だい、今となって、仏頂寺、仏頂寺と言うない」

「まあ、仏頂寺、もう少し待ってくれ、留めるんじゃない、おれにも少し了見があるから、もう少し待ってくれ」

「何だ、貴様の了見というのは……」

「仏頂寺、実はな、おれも一時は面喰って、お前の最期を留立てをしてみたんだが、よく考えてみると、こっちも御同然の身の上だったんだ、お前が生存の意義と理由とを見出し得ない