Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
物の一つであるし、その中の燈明皿も、油も、とうすみも、一切が新しいのですから、お雪ちゃんの眼に見て、タングステン以上にまばゆく感じ、且つまたそれが気分までを明るく、心持よくしたのは無理もないことです。
それを今、仕事をしながらお雪ちゃんが感謝の意を表したのだが、米友としてはそんなに有難くは受取らない、ただお雪ちゃんが言いかけて、言うことを沮んでしまったようなただいまの一句、「まるで、お嫁さんにでも……」と言った言葉尻をとらまえてしまいました。
「そうだなあ、まるでお嫁さんでも……」
と米友が続けてみたが、そこで、また何とつづけていいのか、さすがの米友が擬議しました。
「ホ、ホ、ホ、ホ」
とお雪ちゃんは、何がおかしいか笑いました。
「取ったようだな」
と、お雪ちゃんに笑われたので、米友があわてて木に竹をついだように言葉をつづけました。
「ホ、ホ、ホ、ホ」
と、お雪ちゃんがまた笑いました。
木に竹をついだような米友の言葉の前後をつづり合わせてみると、「まるで、お嫁さんでも取ったようだな」と、こういうのであります。お雪ちゃんとしては、この際、米友がガラにもなくお嫁さんを引合いに出したそれがおかしいのではなかったのです。