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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「まだ、祈っている」

駒井は、今更のように呆れました。

「こうまで一心に、いったい何を祈っているのだ」

と自問自答してみましたが、何を祈る金椎であろう。この少年は、イエス・キリストのほかのどの神をも拝まないことはよくわかっている。しからば、そのイエス・キリストに向って、この少年は何事を祈り、且つ求めているのか。

駒井も、祈る人をこれまで多く見ているが、在来の日本人の神仏に祈る人は、こんな祈り方をしない。神道にも、仏教にも、祈祷などになると心血を濺ぎ、五体をわななかしめて祈っている。その祈りの力によって、安らかに子を産むこともできる、勝敗を左右することもできるような祈り方をしているが、この少年の祈り方の、それらと全く趣を異にしていることを、駒井も白雲同様にかねてよく認めている。

金椎の祈りは、祈りでなくて禅に近い、と駒井が評したことがある。無論、その内容に於て言うのでなく、その形体の静坐寂寞の姿が、禅定に入るもののように静かなのを見て評した言葉なのです。しかして今日今晩の祈りは、特にそれらしい静かなものです。

そうして、今夜に限って、駒井も改めて金椎の祈祷の相を後ろから注視しているうちに……