Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
そこへ、今度は、表門から、極度の狼狽と動顛とを以て、発音もかすれかすれに、
「た、た、た、大変でござりまする、御陵衛士隊長様が殺されました、伊東甲子太郎先生が斬られて、七条油小路の四辻に、横たわっておいでになります、急ぎこの由を高台寺の屯所へお知らせ申せとのこと故に、町役一同、馳せつけて参りました」
これは、通り魔の叫びではない、まさしく現実の声で、屯所の壮士一同の不安の的を射抜いた驚報でしたから、
「スワ……」
と一度に色めき立って、押取刀で駈け出そうとしたが、
「諸君、そのまま駈け出しては危険だ、裏には裏がある」
「もっともだ」
と、逸る心を押鎮めて、
「さてこそ新撰組の術中に陥ったのだ、これは隊長を殺した上に我々を誘き出そうとする手段か、しからずば隊長を殺したと称して、我々を乱す計略に相違ない、使者の者を留めて置いて、再応仔細を糾問すべし」
使者というのは七条油小路の町役人であって、その申告は、目のあたり見て来ているのだから間違いはない。
「たしかに御陵衛士隊長伊東甲子太郎様が、何者にか殺害せられ、御紋章の提灯をお持ちになったままで、私共かかりの七条油小路四辻に無惨の御横死でござりまする」