Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
と後ろなるが呼びかけたのは、宇治山田の米友でありました。
「はい」
と、それを直ぐに受答えたのは、紛う方なき弁信法師でありました。
さては、御両人であったよな。グロの友公と、お喋り坊主の弁信とが、真面目くさって連れ立って歩いているのでした。そんなら、そうと、最初から言えばいいのに。
驚いてはいけない。二人ともに足が地についている。決して、妖でもなければ怪でもない。弁信が先に立って、米友が後ろについて、二人連れでここまで来たのですが、今ぞ鳴くらん望月の、関の清水を打越えても、これやこの行くも帰るも、蝉丸の社をくぐって来ても、二人ともに口を利かなかったものですから、寒山拾得の出来損いだろうなんぞと悪口を叩かれるので、最初から、弁信、米友でございと名乗ってしまえば、お馴染は極めて多い。
人によっては歓迎をしない限りはないのに、物々しく、無言の行をつづけて来たものですから、人が、なあーんだと呆れてしまう。
それのみではない、この二人のいでたちが、今晩は少し変っているのであります。
二
どう変っているかと言えば、今晩は弁信が笠をかぶっている。墨染の法衣は変らないけれども、今日まで弁信という坊主は、旅をするに、全く笠をかぶらなかった坊主です。