Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
一つには、笠をかぶると、頭高に負いなした生活のたつきの琵琶の天神がつかえる、その故障のために、よんどころなく、かぶり物を廃していたのかも知れないが、もう一つには、その自慢(!)の法然頭を振り立てるためには、素であった方が見栄えがする。脱いで高紐にかけ――と言ったような、実用とダテの事情に制せられたのかも知れないが、今日の弁信は網代の笠をかぶっている。同時に、背中から頭高にかかった、雨と露と埃で汚れた、あやめもわかぬ袋入りの琵琶というものの存在が消滅して、その代りに、藁の苞入りの四角な横長の箱と覚しきものを背負っている。
一方、宇治山田の米友に至ると、めくら縞の筒っぽはいつも変らないし、これは竹の皮の饅頭笠をかぶっているが、この男が饅頭笠をかぶることは珍しいことではない。
最初、伊勢の国から東下りをする時代から、この種の笠をかぶりつけてもいるし、尾上の後山の復活の記念としての跛足は、今以てなおってはいないのだから、それは一目見れば誰でも、それ以外の何者でもないと感づかれるはずなんですが、つい、うっかりしていました。
二人が二人であるとわかってみれば、二人が二人であることに異議はないのですが、二人が二人ながらどういう径路をたどって、ここまで歩いて来たかということには、なお多大な問題が残されていると見なければ