Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

宮さん

宮さん

お馬の前の

ピカピカ光るは

何じゃいな

あれは朝敵

征伐せよとの

錦の御旗じゃ

ないかいな

トコトンヤレ

トンヤレナ

「威勢のいい唄だよ」

米友が附加して言いますと、弁信は先刻心得面に、

「あれは軍歌というものです」

「グンカてえのは?」

「兵隊さんが、声を揃えて歌う歌なんです、あの威勢のいい歌を歌いますと、士気がおのずから勇んで参ります、その上に、歌の調子に合わせて、軍隊の歩調がよく調います、それ故に、近ごろの洋式の調練では、笛や太鼓なんぞに合わせて、あの勇ましい軍歌をうたいます、多分兵隊さんが調練を致しているのでございましょう」

「そうすると、その兵隊さんが向うから、やって来る、弱ったなあ」

と、米友がここでガラになく弱音を吹きました。弱ったなあ、と言ったのは、何が弱ったのだかよくわかりません。よし、軍隊が繰出して来るにしてからが、それは歌詞にもある通り、朝敵征伐せよとの御旨で繰出されて来るのであって、米友征伐に来るわけのものではないから、そんなに弱音を洩らさなくてもいいはずなのですが、米友が、がっかりした調子で言ったものですから、弁信が気の毒がって、

「米友さん、心配なさりますな、あれは少々遠方で調練をしているのです、こっちへ来る気づかいはありません」