Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
そうすると、弁信法師が抜からぬ面で答えて言うことには、
「その与八さんとやらは、おそらく、お家をつぶしてしまうでございましょう、また、潰されても悔いないと思えばこそ、あなたのお父様も、その二人を御養子になさる御決心がついたのです」
「いったい、家を起すの潰すのということが、私にはよくわかりません」
「左様でございますとも、諺に女は三界に家なしと申しまして、この世に女の立てた家はございません、本来、女人というものは、物を使いつぶすように出来ている身でございまして、物を守って、これを育てることはできないものなのでございます、家を起すのは男の仕事でございまして、家をつぶすことは女の仕業なのです、もとより、すべての男が家を起すべきもの、すべての女が家をつぶすべきものとは申しませんが、この世に、女の起した家というものはございません、本来、女には家そのものがないのですから。たとえて申しますると……」
「コケコッコー」
弁信法師の饒舌が、理窟に堕しつつも、これから夜と共に深入りをしようとする矢先に、つい近いところで鶏がけたたましく鳴きました。
ははあ、話は夜と共に深入りをしようとする時、はや世界は明け方に向ったのか。