Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

聞いただけで、唇を紫にして、本人の朝ちゃんよりも昂奮した恐怖に襲われている子さえある。

「では、みんなして揃って行って、あらためて見て来てごらん、今時、お化けだの、幽霊だのなんていうものがあろうはずはない、提灯か、行燈か、襖の絵でも見ちがえたのだろう、そうでなければ、まかり間違って、誰か、あたりまえの人が、あたりまえに酒を飲んでいただけのものだろう、みんな揃って、たしかに見届けておいで」

それでも、我れ行こうというものがない。

「そんなに言うなら、おじさん、自分で行って見てごらん、もしお化けがいたら、その村正の刀でやっつけておしまいなさい」

「それがいいわ、おじさんをおやりなさい」

「おじさん、ひとりで行って、調べてみてごらんなさい、そうすれば、わたしたち、あとから揃って見分に行くわ」

「さあ、おいでなさいよ」

「弱虫!」

「村正のおじさん、腰が抜けたわよ」

「お立ち」

子供たちが寄ってたかって、このおじさんを担ぎ上げようとする。こうなると、どうも、どうやら自分が腰を上げて、上共のために迷信退治をしてやらずばなるまい、と観念して、村正のおじさんなるものが不承不承に腰を上げると、子供たちが、やいのやいのと言って、廊下へそれを突き出す。