Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

から、しかるべきところへ、しかるべき土を盛りさえすれば、それが小町塚になり、しかるべきところへ、しかるべき庵を結びさえすれば、小町庵となるべきものです。お銀様がいま納まった庵も、小町をいただくにふさわしい形勝の地でないということはありません。

形勝というよりも、第一、便利なことです。土地柄が町とは離れているが、街道とはさのみ遠くはない。高観音の右に当って、当然、地は長良山の一角で高層を成しているだけに、市中並びに人馬の喧噪からは相当隔離されているし、そうかといって、煙塵を絶ち、米塩に事を欠くほどに浮世離れはしていないのですから、かりそめの閑者を扱うためには甚だ便利がよいのです。それに加うるに、婆やが一人いて、留守番を兼ねて、身の廻りのことは何でもしてくれる、そういう好都合を、あらかじめ抜かりなく打合わせて、女王様の我儘が妨げられない生活が、来着同時に実現されることになったのは、単に不破の関守氏の働きというのみではなく、およそ湖上湖辺のことに関する限りに於て、ドノ辺の淵にカムルチが棲み、どの辺の山路にはムラダチが生えているということをまで心得ている、かの知善院寄留の青嵐居士のよそながらの斡旋が、大きに与って力あるのでないかと思われることです。