Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
「偽物説――それも聞いたよ、江戸を立つ時に、ぜひ性のいい虎徹が欲しいと苦心した末に、ようやく手に入れたのだが、あれは偽物、あまり虎徹虎徹とせがまれるので、刀屋が偽銘の虎徹をこしらえて、近藤に売りつけた、それと知らず秘蔵名代の虎徹にしてしまった近藤の甘さ加減を、あとで刀屋が舌を出して笑ったという話は聞いているが、その噂の真偽のほどは知らない、いい刀はいい刀だ、拙者は確実に虎徹と信じている、よし虎徹でないまでも、近藤が虎徹と信じて買入れるほどの刀だ、まして、近藤自身の手にかけて、その切れ味を保証した刀だ、もし虎徹でないとすれば、虎徹以上の刀だと言ってよろしい。実際、虎徹もその人を得ざれば猫徹となり、猫徹も近藤に持たせれば虎徹となる、猫めが――」
近藤勇と虎猫があやになって、少しこんがらかって来る。ちょうどそこへ、庫裡の方から猫が一匹出て来たからです。寺院に猫はふさわしいようでふさわしくない、ふさわしからぬようでふさわしい、白猫が一匹出て来て、左見右見、天井の方を向いて前足をのしたかと思うと、竜之助の方へ向って、のそのそと歩いて来るのを見たから、それをカセに斎藤が、話の中へ猫を織り交ぜてみたのか、猫を織り交ぜる途端に猫が出現したのか、どちらも偶然にして因縁事がありそうに思われる。