Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
でも、かよわい女が、この夜中に、知ってか、知らずにか、こういう物凄い気分のひそむ室内へ、独り忍び入るということも、愛すればこそで、その怖る怖るの一足一足が、どうしたものか、竜之助の寝ている方へ近寄って来ました。
途端に、よろよろして、よろけたものですから、細い腰が一たまりもなく崩折れて、そうして、まともに寝ている竜之助の上へ、身体の全部を以て落ち倒れかかったものですから、全く夢を破られぬわけにはゆきません。
今までは、夢であったり、うつつであったり、特におでん燗酒のせいであったり、茶碗酒の勢いであったりして、夢中、夢をたどる中に、猫を一匹犠牲に上げてしまったことは、やはり半酔半眠のうちに記憶をとどめているが、人間がまともにぶつかって来た時には、真実の現在にかえらないわけにはゆかない。ガバとして竜之助がハネ起きました。
倒れた女は当然、竜之助と重なり合った体勢にまで崩れてしまった。
「あれ!」
と言ったきり、恐怖と、失策とにおびえて、しばし口が利けないで動顛しておりましたが、これが竜之助であったから仕合せでした。落ちかかる女の体を、よく支えて、それを横抱きに抱き起したなりで、自分も起き直ったのですから、双方の身体にいささかの被害はありません。