Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
「いけないわ、いけないことよ、それはわたし聞かない、今も、おっしゃったじゃありませんか、どちらがお世話になったか、お世話になられたか、そんなことは存じません、今、おっしゃったじゃありませんか、乗りかかった舟だから是非がない――ほんとにそうなのよ、あなたと、わたしと、これまで同じ舟に乗って、艱難だけを共にし合って、おたがいにこれから帆を揚げようというところで別れるなんて、それは乗りかかった舟を川の中で捨てるというものです、捨てるあなたが薄情なのよ、捨てられるわたしは、たよりなぎさの捨小舟……人間、別れる時に別れないのは未練で、あとが悪い、よくおっしゃいましたね、未練が残るくらいの別れは、本当の別れではないのよ。あなたという方は、信濃の中房から途中でもあんなにして、わたしを捨ててしまい、ここでもまた、わたしの身が、どうやら落着いたと聞いて、もう浮わついて別れようとなさる、それこそ、未練とも卑怯ともいうものじゃなくって、かりそめにも女の身一つを山の中へ投げ出して、お前はお前、わたしはわたし――と不人情はできないと、今もおっしゃいましたわね、ここでわたしを振り捨てるのが不人情でないと誰が申しました、ほんとにわたしの運命を見届けて下さる御親切がお有りならば、これからじゃありませんか」