Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
であしらうおかみさんぶりを早くあなたに見せたい、きっと、遠からぬうちに、そうして見せるわ。どのみち、お約束ですから明朝はあなたを立たせて上げますけれど、お上りにしても、お下りにしても、長くてここ一月の後、この福井へ廻り道をなさらないと恨みますよ、そんなことを言っていると、もう焦ったいわ、看板を買い、株を買い、自前になるとかならないとか、そんなこと間緩くて仕方がない、今晩からでも廃業して、一本立ちの温泉宿のおかみさんと言われて人を使ってみる身分になりたい、いやいや、明日からまた、世間様の機嫌気づまを取って暮すことになるかと思うと、うんざりする。人間てわがままなのね、気の変りっぽいものね、今の先は、身の落着きがきまったと言って大よろこびで吹聴していたくせに、今となって、もう芸妓はいやで、世帯持のおかみさんになりたい、温泉宿屋のお内儀にでもなりすました気分で、おおたばをきめこんでいるところなんか、まあ、自分ながら図々しさに呆れるわ。でも、このあわらへ温泉宿を持つことは、あたし骨になっても仕上げてみせますね、運次第ですけれども、風向きがよければ半年のうち、きっと何とか目鼻を明けてお目にかけることよ。