Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
ました。
ただ、よくわからないのは、その胆吹山に巣を食うという一味の開墾者の団体の性質のことですが、それは兵馬として詳しく問いただすべきことではない。もう一つ――江戸で有数な英学者、身分は旗本――というようなことも、離して別々に持ち出されてみると、兵馬も思い当るところがあったに相違ないが、青年の志望を主として聞いていたものですから、兵馬としての受け答えは、この好学の青年の志望を讃して、励ましてやることにはじまりました。
「それは結構な志だ、しっかりやり給え、江戸はなかなか誘惑が多いからな」
江戸は誘惑が多いことなんどを、特に附け加えて、はじめて兵馬も自分がテレ加減になっていると、今度は青年の方で反問的に、
「あなたは、ドコからおいでですか」
とたずねました。兵馬が、
「拙者は越前福井から来たのですが……」
「へえ、あなたは福井から、僕は福井へ帰るんですが、僕は本来、福井のものが福井へ帰るまでなんですが、あなたは福井のお方ではござんすまいね」
「そうです、拙者は旅から旅を廻って歩くものです――」
「どちらが御生国なんですか」
「まあ、江戸ですね」
「江戸ですか、それは懐かしいです」