Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
お礼などをお受けにならないでも、立派に御身分のあるお方でございまして、大僧正様なども、どうかするとお見えになりましたが、大僧正様と易経のお話をなさいましたことを、わたくしは蔭ながら伺っていたことがございますが、その時におっしゃったお言葉と、身の上判断を頼みに来る人に向ってあそばす易経のお諭しとは、全く違った見識のもののように承っておりました」
婆やから、こう言って説明されると、お銀様の心がまた穏かならぬものになりました。
自分で見ては歯の立たないものを、ここの前住の女庵主は、立派に消化しきっているように思われたのが、お銀様の心を少なからずいらだたしめたもののようです。
こうして書物の検討をしている間に、夕方から雨が降り出しました。
十三
小町塚の雨の第一夜を、お銀様は、しめやかな気分のうちに眠りに就きましたが、お銀様としては、こと珍しい環境のうちに、珍しい夢を見るの一夜であります。
胆吹御殿の上平館の一室も、静かな一室であることに於ては、ここに譲りません。あるいはここよりも一層、懸絶し、沈静している胆吹御殿の女王の一室ではありましたけれど、女王としての権式を以て寝ね、女王としての支配を以て起きるのですから、放たれたる夢を結ぶということは、まずないことでした。