Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
それは、棄児であった自分の一身を拾い取って、衣食を与えた生命の恩人というだけの観念ではないのです。
およそ、この世界に於て、いかなる人がエライといって、うちの大先生ほどのエライ人はない。江戸へ出て、エライと言われる人もお見かけ申したことがないではないが、そのエライ人でも、うちの大先生にはかなわない。どこがどうエライかということは与八にはわからないが、どんなエライと言われる人をお見かけ申しても、うちの大先生のことを思い出すと、引け目を感じないことを与八は直覚する。つまり、エライ人にはみんなそれぞれ身に備わる「威」というものがある。うちの大先生の「威」は、どんな人にも遜色がない、ということが、与八の信仰となっているのであります。与八が「威」という観念で解釈しているのは、近づき難い怖れという意味ではない、与八は与八らしく世間の「威」という観念を受入れて、人格の備わった徳の高い人に、おのずから備わる後光のようなものだと信じているのです。ドコへ出て、どういう人を見ても、与八はうちの大先生のことを思うと、ちっとも引け目を感じない。それがつまり、大先生の威というものだと信じているのです。