Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

それで、お玉はこの人がお武家であるということを知って、いっそう心細いような、心強いような、妙に混乱しきった心持になっていると、

「お豊から手紙を持って来てくれたのはお前さんか、こっちへお上りなさい」

ようやく面を上げた人を見ると、痩せた身体に蒼白い面の色が燈火を受けて蝋のように冷たく光る。

お玉は知らない。これは机竜之助でありました。

「どうもまことに申しわけのないことを致しました」

お玉はお詫言から先です。

「とにかく、こっちへ上って、まことに済まないがこの手紙をひとつ、拙者に読んで聞かしてもらいたいが」

竜之助は手さぐりにして燭台を少し動かしました。

こう言われてお玉は、ハッと耳まで赤くなったのです。

「はい、あの……」

お玉には手紙が読めないのでした。今まで読めないで通って来たし、読めと言われたこともないのに、ここへ来て恥かしい思いをしようとは思いませんでした。

竜之助は、お玉が遠慮をしているものとでも思ったのか、

「拙者はこの通り目が不自由でな、せっかく手紙を届けてもらってもそれを読むことができない、どうぞここで代って読んでみて下さい」

静かな声で折返して頼む。