Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
竜之助がひとりで酒を飲んでいるところへ、お絹が風呂から上って来ました。
「またいやな奴がついて来ましたよ」
「誰が?」
「浜松の大米屋でお前さんを覘ったという奴」
「うむ、あれか」
「あれがまたこの宿へ入り込みましたよ、執念深いやつらったら」
「放っておけ、今夜来たらば……」
竜之助がグッと一口飲む、燈の光で青白い面が熱る、今夜来たらば……叩き切ってしまうというものと見えます。
「まあ、およしなさい、道中は無事に限りますから、またひとつ裏を掻いて、出し抜いてやりましょう」
お絹は竜之助の面を見て笑う。こうして見れば、二人は夫婦気取りで旅をしているようです。
お絹が竜之助をたよるのか、竜之助がお絹をたよるのか。お絹は浜松へ引込んでしまおうかと思ったのを、ふと、竜之助が来たので、また一緒に江戸へ出ることになったらしい。竜之助もまたお絹によって、難儀なるべき道中をともかくも心安く江戸へ下ることができるというものらしい。
机竜之助のいたところと、遊行上人の泊っていた一間とは襖一重の隔たりでありました。
眠れないでいた竜之助には、その夜更けて、不夜の念仏をしていた上人の許へ忍び寄った二人の盗賊と、それに驚かなかった上人の問答をよく聞くことができました。