Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
た。
「なんでお前は、そんなに見ず知らずの人を吠えるのです、今までそんなことはなかったじゃありませんか」
ムクを促して立とうとすると、
「三保の松原で大喧嘩がある、早く行って見ろ」
街道で物騒がしい声。
喧嘩喧嘩、という人波と一緒に、お君はムクに引かれて三保の松原へと来てしまいました。
「ムクや、危ないから、あまり近くへ行ってはいけないよ」
そう言いながらも、お君は逸るムク犬に連れられて人混みの中へ行く。
八
ムクが逸るから、それに逐われてお君も人混みの中へ潜り込んでしまいますと、
「おや」
お君の驚いたのも道理、この人混みの中で槍を構えている人こそ、わが無二の友、宇治山田の米友でありました。もしやと思ったけれども、米友の面と姿ばかりは見違えようと思っても見違えるわけにゆきません。
「友さんではないか、友さん」
お君は人を掻き分けて飛び出しました。ムク犬はそれより先に勢いよく米友の傍へ飛んで行きます。その人が米友であったればこそ、お君は白刃の中を頓着する余裕がありませんでした。武士でさえ立入り兼ねる白刃の中へ。
「米友さん、危ない!」
米友は今、一人の若い武士を相手にして一心不乱に槍を構えているところでありました。