Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「それよりか君ちゃん、お前がまたどうしてこんなところへ来たんだい」
「それにはずいぶん永い話があるんだから、どこかでゆっくり話しましょうよ」
「ここで話そう、この松の木の下がいいや」
羽衣松の下。米友は槍を提げたなり歩いて行って坐る。お君は置放しにした三味線を取って来て坐る。ムクはその前に両足を揃えて蹲む。
「友さん、あれからどうしたの」
「どうしたのって、お前」
米友は何から話してよいかわからないように、目をクルクルさせて、
「ずいぶん俺らもひどい目にあったよ」
「わたしもずいぶん心配しちまった」
「それ、あの晩、お前を大湊の船大工の与兵衛さんのところへ送り届けてよ、それから俺らは一人でムクの様子を見に山田の方へ行ったろう、そうすると、町の入口で直ぐにお役人の網にひっかかっちまったんだ、それからお役人が八方から出て来て俺らを追蒐けやがったんだよ、よそへ逃げりゃよかったんだが、それ、君ちゃん、お前の方が心配になるだろう、それだもんだから俺らは大湊へ逃げたんだね、そうすると山田奉行の方からも人が出て両方から取捲いてしまったんだよ、けれども俺らはそこんところをひょいひょいと飛び抜けて、与兵衛さんの家の裏口へ行って船倉の方へ廻って、それから歌をうたってみたんだよ、もし君ちゃんにその声が聞えるかと思ってね」