Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「そうすると、突っかけた槍の人は濠の中へ転げ落ちてしまいました、水音がしないのが変だと思ったら、なんでも堤を伝って逃げてしまったのですね。槍は島田先生の手に残っています。先生、お怪我はございませんかと言って駈け出せばよかったのですけれど、あの時に、わたしは竦んでしまって、どうしても飛び出すことができませんでしたよ。そうすると島田先生は、その槍をこう杖について、よろよろ、よろよろと濠端道をよろめき歩いて、駕籠屋駕籠屋と通りかかる辻駕籠を呼び留めました」
「…………」
「そこで槍を投げ捨てて、御徒町へ行けと駕籠屋へ言いつけたままで、垂を上げて駕籠の中へ身を隠してしまわれました。そうして駕籠が飛んで行くのを見送った時に、ようやっとわたしは歩けるようになりました。その翌日、島田先生が急病で亡くなられたという噂を聞きましたから、それとなくその御最期の模様を人からたずねてみますと、あれからお家へお帰りになり、床の間の前に坐って香を焚いて、座禅とやらを組んだままで亡くなっておられたということでありました」