Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
甲斐国巨摩郡と書いた方へ出れば右を斬られる、駿河国庵原郡と書いた方へ出れば左を斬られる、こうしていれば道標もろとも前から梨子割り。後ろを見せれば背を割られる。進退窮まって道標の蔭から竜之助の隙をうかがう。
そこへ歩み寄って来た竜之助。がんりきはたまらなくなって、
「おい、御新造様、先生は気が違ったぜ、なんの咎もねえわっしをお斬りなさろうと言うんだ、あ……危ねえ」
この時、水を割るようにスーッと打ち下ろした竜之助の刀。絶体絶命で脇差へ手をかけながら左へ飛び抜けたがんりきの右の手を、二の腕の半ばからスポリ、血が道標へ颯と紅葉。
「あ痛えッ」
がんりきは、斬り落された切口を左の手で着物の上から押えて横っ飛び。
「狂人に刃物とはこれだ、手が利いているだけに危なくって寄りつけねえ、御新造様、早く逃げましょう、ぐずぐずしているとお前様も殺られちまいますぜ」
尋常ならば眼を廻すべきところ、腕一本落して命を拾い出そうとするがんりきは、
「早くお逃げなさいと言うに」
「どうしたんでしょう、まあ」
お絹は、さすがに狼狽して途方に暮れているのを、
「どうもこうもありゃしねえ、早くわっしの逃げる方へお逃げなさい」