Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「危ないよ、上手に下りないと岩の上へ落ちて身体が粉になるよ」
「大丈夫――宇津木様、こんな谷底で子供が一人で何をしているのだか、ひとつ下りて行ってみましょう」
七兵衛は兵馬を残して、木の根と岩角を分ける。
「小僧さん、どこだい」
「ここだよ」
屏風のようになった岩の蔭。水を飛び越えて七兵衛は声のする方へ行って見ると、笠をかぶって首から肩へ袋をかけて、尻切半纏を着た十五六の少年が一人、水の中を歩いています。
「山魚でも捕るのかい」
「そうじゃないよ、もっと大きな物を捕るんだ」
「山魚より大きなもの――それでは鰻か鱒でもいるのかい」
「そんな物じゃあない、もっと大きな物よ」
「鰻や鱒より大きなもの――はてな、こんなところにそんな大きな魚がいるのかね」
「いるから捕りに来るんじゃないか」
「なるほど、鰻や鱒よりも大きい……まさか鮪や鯨がいるわけでもあるまいな」
「ははあだ、鮪や鯨よりもっと大きな物がいるんですからね、お気の毒さま」
人を食った言い分で七兵衛もいささか毒気を抜かれます。
「鮪や鯨より、もっと大きなもの――それをお前はそのお椀で掬って、その袋へ入れようと言うんだね」