Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだよ、その通り」

ああ言えばこう言う、少しも怯まぬ少年。

なるほど、少年は手に一箇の吸物椀を持っていて、それで水の中を掻き廻していたのです。右のお椀で水の中を掻き廻して掬い上げると、鮪も鯨も入ってはいない、ただ川の中の砂がいっぱい。

「どうだ、おじさん、わかったかい、これは鮪や鯨より大きいものだろう」

「何だい」

「このピカピカ光る物をごらん」

「はてな」

「このお椀を左右へこんなに動かすと、それ、だらだらと砂が溢れる。砂が溢れると、あとに残るのがこのピカピカする物。おじさん、これを何だと思う」

「なるほど」

「知らなけりゃ教えてやろう、こりゃ黄金というものだよ。黄金というものは、この世でいちばん大したものなんだ、鮪や鯨より、もっと大きなものなんだ」

「なあーるほど」

「国主大名のような豪い人でもこの黄金の前には眼が眩むんだよ、花のような美しい別嬪さんでも黄金を見れば降参するんだよ。どんな者でも、この黄金の前へ出れば顔色が変るんだから、なんと大したものじゃねえか」

「なるほど、こいつは恐れ入った」

「この甲州という国は、昔から金が出る国なんだよ」

「そりゃわかった、黄金の話はまた後から聞かしてもらおう。